症状の紹介

肩の回旋腱板について

**腱板損傷の原因:**

腱板損傷は、加齢、肩の酷使、怪我によって起こります。肩の骨や肩甲骨の問題や、年齢による腱の劣化が影響し、腱が部分的または完全に切れることがあります。

**診断方法:**

腱板損傷の診断には、症状の確認、肩の動きや力のテスト、そしてレントゲンやMRIなどの画像検査を用います。これらの情報をもとに治療方針が決まります。

**理学療法による治療:**

手術なしの場合は、痛みの軽減、肩の動きの改善、筋力強化、日常生活の動作練習を行います。手術後は、肩の保護から始まり、徐々に動かし、筋力を回復させるプログラムが進められます。

**治療の見通し:**

治療の効果は人それぞれですが、多くの人は肩の動きが改善し、痛みが軽減します。リハビリを継続することで、肩の機能を維持し、再発を防ぐことが重要です。

参考資料

Burbank, K. M., Stevenson, J. H., Czarnecki, G. R., & Dorfman, J. (2008). Chronic shoulder pain: Part I. Evaluation and diagnosis. American Family Physician, 77(4), 453-460.

Chard, M. D., & Hazleman, B. L. (1993). Shoulder disorders in the elderly: a community survey. Rheumatology International, 13(3), 105-107.

Kuhn, J. E. (2009). Exercise in the treatment of rotator cuff impingement: A systematic review and a synthesized evidence-based rehabilitation protocol. Journal of Shoulder and Elbow Surgery, 18(1), 138-160.

Manske, R. C., & Prohaska, D. (2008). Postoperative rotator cuff rehabilitation: a literature-based rehabilitation protocol. International Journal of Sports Physical Therapy, 3(4), 265-281.

Yamaguchi, K., Ditsios, K., Middleton, W. D., Hildebolt, C. F., Galatz, L. M., & Teefey, S. A. (2006). The demographic and morphological features of rotator cuff disease: a comparison of asymptomatic and symptomatic shoulders. The Journal of Bone and Joint Surgery. American Volume, 88(8), 1699-1704.

坐骨神経について

 ①発生機序について

坐骨神経痛は、坐骨神経が圧迫または炎症を受けることで発生します。

一般的な原因は椎間板ヘルニアで、これにより神経が圧迫されます。他の原因として、脊柱管狭窄症、骨棘形成、外傷、腫瘍、殿筋群の硬化などが考えられます。

②理学療法評価について

理学療法評価では、姿勢や歩行の観察、筋力テスト、可動域測定、痛みの程度を評価します。

・SLRテスト(Straight Leg Raise Test)

・FNSテスト(Femoral Nerve Stretch Test)

など、特定の神経学的テストも実施され、坐骨神経の関与を確認します。

③理学療法治療について

理学療法治療には、痛みを和らげるための温熱療法や電気療法、筋力強化と柔軟性向上を目指したエクササイズ、そして正しい姿勢や動作パターンの教育が含まれます。また、場合によってはマッサージも行われます。

④坐骨神経痛の予後について

坐骨神経痛の予後は原因や治療の適切さによって異なります。軽度のケースでは、数週間から数か月で自然に回復することが多いですが、重症例では慢性化し、長期的な管理が必要となることもあります。適切な理学療法と生活習慣の改善が予後を良好にする重要な要素です。

参考資料

1. van Tulder, M. W., Koes, B., & Bombardier, C. (2002). Low back pain. *Best Practice & Research Clinical Rheumatology*, 16(5), 761-775.

2. Fritz, J. M., & George, S. Z. (2000). The use of a classification approach to identify subgroups of patients with acute low back pain: Interrater reliability and short-term treatment outcomes. *Spine*, 25(1), 106-114.

3. Dagenais, S., Tricco, A. C., & Haldeman, S. (2010). Synthesis of recommendations for the assessment and management of low back pain from recent clinical practice guidelines. *The Spine Journal*, 10(6), 514-529.

腰痛について

① 発生機序について

腰痛は、筋肉や靭帯の過度の負荷、椎間板の損傷、関節の問題など、さまざまな要因によって引き起こされます。特に、長時間の悪い姿勢や突然の動きが原因で、腰の筋肉や軟部組織にストレスがかかることが多いです。

 ② 理学療法評価について

理学療法士は、痛みの場所や動作による症状の変化を観察します。また、姿勢や柔軟性、筋力の評価を行い、問題の原因を特定します。特定の動作を行わせるテストを通じて、どの部分に異常があるかを確認します。

③ 理学療法治療について

治療は、痛みを和らげるための温熱療法や冷却療法、腰周りの筋力を強化する運動、柔軟性を向上させるストレッチが中心です。さらに、正しい姿勢や動作の指導も行い、再発を予防します。

 ④ 予後について

腰痛の予後は、その原因や治療方法によって異なります。軽度の場合、数週間以内に改善することが多いですが、慢性的な腰痛では長期間の治療が必要になることもあります。理学療法を適切に行うことで、回復が早まり、再発リスクを減らすことができます。

参考資料

1. van Tulder, M. W., Koes, B., & Bombardier, C. (2002). Low back pain. *Best Practice & Research Clinical Rheumatology*, 16(5), 761-775.

2. Fritz, J. M., & George, S. Z. (2000). The use of a classification approach to identify subgroups of patients with acute low back pain: Interrater reliability and short-term treatment outcomes. *Spine*, 25(1), 106-114. 3. Dagenais, S., Tricco, A. C., & Haldeman, S. (2010). Synthesis of recommendations for the assessment and management of low back pain from recent clinical practice guidelines. *The Spine Journal*, 10(6), 514-529

半月板損傷について

① 発生機序について

半月板損傷は、膝に強いねじれや圧力がかかったときに起こります。スポーツで急に方向を変えたときや、膝を過度に伸ばしたときによく見られます。年を重ねると半月板が弱くなり、損傷しやすくなります。

② 理学療法評価について

理学療法士は、膝の動きや痛み、腫れをチェックします。膝を特定の方向に動かして半月板の損傷があるかどうかを確認するテストも行います。

代表的な特殊テスト

・マクマレーテストや

・アプレー圧迫試験

③ 理学療法治療について

治療には、痛みや炎症を抑えるための冷やす治療や、膝周りの筋肉を強くする運動が含まれます。損傷の程度によっては、膝を柔らかく動かすストレッチも行われます。

④ 予後について

半月板損傷の治り方は、どれだけ損傷しているかや治療がどれだけ適切かによって異なります。軽い場合は数週間から数か月で治りますが、重い場合は手術が必要になることもあります。早めの理学療法が治りを良くするカギです。

参考資料

1. Brophy, R. H., & Matava, M. J. (2010). Meniscal Injury. *Journal of the American Academy of Orthopaedic Surgeons*, 18(8), 527-536.

2. Englund, M., Guermazi, A., Gale, D., Hunter, D. J., Aliabadi, P., & Felson, D. T. (2008). Incidental Meniscal Findings on Knee MRI in Middle-aged and Elderly Persons. *New England Journal of Medicine*, 359(11), 1108-1115.

3. Papalia, R., Del Buono, A., Osti, L., Denaro, V., & Maffulli, N. (2011). Meniscectomy as a risk factor for knee osteoarthritis: A systematic review. *British Journal of Sports Medicine*, 45(8), 726-730.

扁平足について

① 発生機序について

扁平足は、足のアーチが崩れて平らになり、足全体が地面に接する状態です。先天的な要因や筋力の低下、靭帯の緩み、過剰な負荷などが原因となります。扁平足は子供の頃に自然に治ることがありますが、成人期には痛みや疲れを引き起こすことがあります。

② 理学療法評価について

理学療法士は、足のアーチの高さ、歩き方、足や足首の動き、筋力を評価します。立ったり歩いたりする際に足の動きを観察し、扁平足が歩行や姿勢にどのように影響を与えているかを確認します。

③ 理学療法治療について

治療には、足のアーチをサポートするための特別なインソールや靴を使用することが含まれます。また、アーチを強化するためのエクササイズや、足首とふくらはぎのストレッチも行います。正しい歩き方や姿勢を身につけることも重要です。

④ 予後について

扁平足の予後は、原因や治療の内容に左右されます。適切な治療を行えば、症状を軽減し、生活の質を向上させることができます。特に早期に対処すれば、日常生活での痛みや疲れを軽減できる可能性が高まります。

参考資料

1. Kirby, K. A. (2000). Biomechanics of the normal and abnormal foot. *Journal of the American Podiatric Medical Association*, 90(1), 30-34.

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3. Kulig, K., Fietzer, A. L., & Popovich Jr, J. M. (2011). Ground reaction forces and knee mechanics in the weight acceptance phase of gait in women with excessive pronation. *Clinical Biomechanics*, 26(8), 823-828.

シンスプリントについて

① どうして起こるのか

シンスプリントは、脛(すね)の骨の内側に痛みを引き起こす状態です。これは、ランニングやジャンプなどの激しい運動を続けることで、脛の骨や筋肉に負担がかかりすぎたときに起こります。また、足の形が原因で負担がかかりやすくなることもあります。

② どのように評価するのか

理学療法士は、痛みがどこにあるかや、歩いたり走ったりしたときの症状を調べます。また、足の形や筋肉の柔らかさ、強さも確認し、どのように体を動かしているかを分析します。

③ どのように治療するのか

治療としては、まず痛みや炎症を抑えるために冷やしたり、運動を休んだりします。その後、ストレッチや筋肉を強くする運動を行います。適切な靴を履いたり、インソールを使うことも予防に役立ちます。

④ どれくらいで良くなるのか

シンスプリントは、適切な治療と休養をすれば、数週間から数か月で回復することが多いです。ただし、放っておくと症状が長引いたり、骨にヒビが入ることもあるので、早めの対応が大切です。

参考資料

1. Michael, R. H., & Holder, L. E. (1985). The soleus syndrome. A cause of medial tibial stress (shin splints). *The American Journal of Sports Medicine*, 13(2), 87-94.

2. Thacker, S. B., Gilchrist, J., Stroup, D. F., & Kimsey, C. D. (2002). The prevention of shin splints in sports: a systematic review of literature. *Medicine and Science in Sports and Exercise*, 34(1), 32-40.

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